「恋はひとつひとつ 実っていく」


今は6時間目 国語の授業。
全く先生の声が耳に入ってこない.
私は空が好きだ.
青いのに 夕日がさして
オレンジになっていく.
これは 恋と同じなのではないか
と思っている.

だけど 私は恋を知らない.
恋をしたことが無い.
「これから知っていくのかな.」
私はそう呟いた.
バシッ
愛羅 「痛っ」
衣華先生「なーにボーッとしてるのかな??
野山愛羅さん??」
愛羅「すみません…」
衣華先生「外周増やしてあげましょうか」
って言うと笑顔でこっちを見てくる.
愛羅 「それだけは勘弁して!!いっちゃん!!」
と私は衣華先生に抱きついた.
衣華先生「こらっ 衣華先生でしょ??」
愛羅「そうだった」
と言いながら笑った.
衣華先生「後 授業終わったけど」
愛羅 「ほんとだ!!誰もいない…」

私は野山 愛羅 中学1年生で1-5
吹奏楽部で フルートを吹いています.

愛羅「空を見てたら時間過ぎちゃうんだよな…」と私は窓の外を見た.
衣華先生「本当に空好きだね〜
何がいいんだかわからないわ」
と笑いながら教室を出ていった.

衣華先生は 1-5の担任
吹奏楽部の顧問でとても優しく厳しい
いい先生だ. 私も含めて周りの人は
"いっちゃん"と呼んでいる.

すると
ガタガタッ
教室のドアが開ける音がした.
拓也「愛羅帰るぞー」と言いながら
教室に入ってきた.

佐原 拓也 同じクラスで
私の幼なじみ. 周りによく好かれていて
人気だ. そしてモテる.
優しくて 鈍感な男の子.

愛羅「あれ?? 部活は??」
と私は首を傾けて訪ねた.
拓也「今日はりょーが主張だってさ」
ピースをして笑顔で私を見てきた.

城 涼太 1-6の担任で
サッカー部顧問だ. とても面白く
人気がある先生だ.
呼び名はりょー

愛羅「そっか!! じゃ帰ろ!!私も部活ないし!!」 と私は笑顔で言った.

この後に起きることなど
気づくはずもなかった.