幼恋

私達はギリギリのところで入学式に間に合った。
私達が今日から通う、｢橘高等学校｣。
この高校に私達は揃って合格し、今日入学を迎える。
｢わあ～！やっぱ新しい校舎なだけあって大きいね～！｣
｢おい、あんまはしゃぎすぎんなよ。入学早々バカ丸出しだぞ、それじゃ。｣
｢うるさい！｣
そんなやりとりをしながら、私達はクラス発表の紙を見る。
1-Cの紙に二人共名前が載っていた。
｢お前と一緒かよ。｣
朔哉が不満足そうな顔をして言う。
｢なによ！私だってあんたと一緒だなんて最悪！｣
そんなことをしていると、他の入学生の女子達から黄色い声が聞こえる。
きゃー！天堂くーん！！
こっち向いてー！
その方を見ていると、茶髪にピアス。いかにも遊び人という見た目の男子生徒がいた。
うわ…私の苦手なタイプ。
そんなことを思っていると、朔哉が声をかけてきた。
｢ほら、体育館行くぞ。入学式が始まる。｣
｢うん！｣

入学式が始まった。
校長先生の長い話のあとに、新入生代表挨拶があった。
｢天堂将生（てんどうまさき）｣名前を呼ばれ、
｢はい｣と返事をして、出てきたのは朝のあの遊び人。
え、うっそ…あの人、頭いいの？
この学校は、成績トップの人が挨拶をすると聞いていた。
あの見た目で頭いいなんて何者…

入学式が終わり、私と朔哉は教室に入った。