「コウ君のお母さん、今日は早いですね〜」


優しさを貼り付けた保育士さんに
ビール臭い息を吐かないように細心の注意を払う。


「そうなんですよ〜」


にこやかなあたしは嘘臭い笑みに
ほっぺが引きつるのを感じる。


「嬉しいねぇ、コウ君いっつも淋しいもんね〜」


高いヒールをチラチラ見てくるのが癖なこの先生は
あたしに笑いかけるけど
全くもって目が笑っていないため非常に怖い。