∞1208∞

彼は少し間を空けて
相変わらずガッチリした体であたしを見据える。

沈黙に酸素を吸い取られそうで
あたしは嫌な緊張感に苛まれる。


「じゃあ…飯、付き合ってや」

俯きながらの少し弱々しい言いぶりに
あたしは仕方なくうなずいた。うなずくしか、あたしは選択出来ないのだ。

其れは簡単なモノ。

恐怖と云うのが表現上で一番近い。


あたしは元亭主である彼に
数年前消えない傷をつけられた。