∞1208∞








「俺、名古屋んときからキリサン好きなんでね。
出会いは企画書だけどね。
なにこの大胆な企画!って。
んで決起集会んとき本部でキリサン見た時からもうベタボレ。んで転勤希望みたいな。
って事で、あ、おじさんお会計して〜。」


すたっと立ち上がる彼を見上げる。
あたしを見下ろして笑う顔に靨はなくて


「揉め事あったんでしょ?あの日。
まさかシンクに頭突っ込むとは思いませんでしたけど、笑」


二重瞼はきちんとあたしを捕らえたままふっと瞬きを。
その仕草すら、まるで年下とは思えない。