「俺、名古屋んときからキリサン好きなんでね。 出会いは企画書だけどね。 なにこの大胆な企画!って。 んで決起集会んとき本部でキリサン見た時からもうベタボレ。んで転勤希望みたいな。 って事で、あ、おじさんお会計して〜。」 すたっと立ち上がる彼を見上げる。 あたしを見下ろして笑う顔に靨はなくて 「揉め事あったんでしょ?あの日。 まさかシンクに頭突っ込むとは思いませんでしたけど、笑」 二重瞼はきちんとあたしを捕らえたままふっと瞬きを。 その仕草すら、まるで年下とは思えない。