コンコン、乾いた木製のドアの音は 疲れた体の芯をぴくりと揺さぶる。 フワッと先程香った甘い香りが背中に当たる。 きっと振り向くとガラガラと音を立てて崩れるだろう。 「なに」 「なんか有りましたか」 きゅうー、と痛い痛い痛い。 「なんも。」