∞1208∞



コンコン、乾いた木製のドアの音は
疲れた体の芯をぴくりと揺さぶる。

フワッと先程香った甘い香りが背中に当たる。

きっと振り向くとガラガラと音を立てて崩れるだろう。


「なに」


「なんか有りましたか」


きゅうー、と痛い痛い痛い。



「なんも。」