「まっ」

「やっやらし〜」

中の二人がガヤガヤキャーキャーと騒ぎ立てる。


「ありがと」


支えられた体を起こして、乱雑気味にパンプスを脱ぎ部屋に入る。

彼の好きなパイナップルの香りの柔軟剤が、あたしの背中を包む。
顔を見れないのは、そんな理由はいちいち思い出す必要ない。


無愛想なあたしに、二人はポカンとして
くつくつ、湯気を立てる鍋では蟹があたしのかわりに真っ赤になっていた。


「着替えるわ。」


なるべく笑顔で、寝室のドアを開ける。