寝室ですやすやと眠っているコウヤを起こさないよう、
ちんまりと三角座りでコーヒーを待つ。
‥なんか瞼が腫れぼったい。

目の前にあった鏡に写った妖怪にテンションが転げ落ちた頃。


「はい。」

「‥ありがと」

「不細工なのは今に始まった事じゃないわよ。
気にしない気にしない。」

「ゴラ」

胡麻のように顔中に散らばったマスカラなのかアイラインなのか定かで無いカスを必死で拭う。
コットンが雑巾の様に汚れて行く。


「やだ、汚っ!あんた学校の教室のホコリだらけの」

「だまれ」