ピュア・ラブ

翌朝、いつものように洗濯と、掃除を済ませると、病院に行く支度を始めた。
時間は昨日と同じ10時だ。もっと早く行こうとしたが、昨日はよく眠れず、朝寝坊をしてしまったのだ。
メイクをして、髪を整えると、アパートを出た。
私は、自分のことにあまりお金は使わないが、この一週間で、モモのものを買いあさった。
たまにはこうしてお金を使うのも悪くない。
橘君が、猫はご飯の選り好みが激しいから、最初は、容量が多いキャットフードは止めた方がいいと、アドバイスをくれた。
食事に付いて調べると、手作りご飯もいいらしいとなっていた。キャットフードと併用して与えるのもいいかもしれない。
手作りご飯用の調理道具も買い、器も用意した。モモがくるのが楽しみで仕方がない。
自転車に乗り、10分もかからない「たちばな動物病院」に着く。今日、橘君は休みだと言っていた。少しばかり、ほっとする。
嫌いでも、好きでもない。もともと頭の中にない人だ、感情も何もあったものじゃない。だけど、私を知っている人がいるということは、あまり気分のいいものじゃない。
もちろん、私の人生で「学校」と言う物があったのだから、知っている人は沢山いるだろう。だけど、その中で何人の記憶に私がいる? それは、0人だ。それが私にとって何よりも嬉しい事なのに、橘君の出現によって、それは簡単に崩れて行ってしまった