「モモちゃんね、昨日は、柔らかくしたフードを食べて、うんちもちゃんとでた。少し柔らかかったけど、下痢じゃないから安心して」
「ありがとうございます」
「やめてよ、よそよそしいから」
私は、あなたの知り合いではない。同級生らしいが、記憶にない人をなれなれしく接することは出来ない。それにモモの主治医だ。敬意を払っているに過ぎない。退院したら、病院に世話になるような子に育てない。強く、健康にして見せる。
「モモちゃん、ママが来たよ。モモちゃんね、あのバスタオルがお気に入りなんだ。マットを用意してあるけど、すぐにあのバスタオルの中に入って寝ちゃうんだ。きっと黒川の匂いがするんだな」
「モモ」
モモは私が名前を呼ぶと、耳をぴくっとさせ、目を開けた。
目やにがすっかりなくなり、綺麗な目で私を見た。橘君がきっと目を掃除してくれたに違いない。
まだ、シャンプーが出来ないらしく、顔はまだ薄汚れていた。
「目は目薬が効いてすっかりよくなったよ。ただ、傷がね。毛は生えるのに時間が掛かるから仕方がないとして、痛そうで可哀想だ」
そう話す橘君は、ゲージからモモを出して、私に抱かせてくれた。
今気が付いたが、最初に来た時より、入院患者のイヌが減っていた。きっと直って退院したのだ。モモもそれに続けばいい。
モモを抱きながら二人でいると、子供を挟んでいる家族のようだ。
私は、家族持つことの意味がわからない。あんな面倒な物はない方がましだ。
私にはモモがいればそれで十分幸せだ。
退院はいつ頃になるのだろう。お金の用意もあることだ、知っておきたい。
「ありがとうございます」
「やめてよ、よそよそしいから」
私は、あなたの知り合いではない。同級生らしいが、記憶にない人をなれなれしく接することは出来ない。それにモモの主治医だ。敬意を払っているに過ぎない。退院したら、病院に世話になるような子に育てない。強く、健康にして見せる。
「モモちゃん、ママが来たよ。モモちゃんね、あのバスタオルがお気に入りなんだ。マットを用意してあるけど、すぐにあのバスタオルの中に入って寝ちゃうんだ。きっと黒川の匂いがするんだな」
「モモ」
モモは私が名前を呼ぶと、耳をぴくっとさせ、目を開けた。
目やにがすっかりなくなり、綺麗な目で私を見た。橘君がきっと目を掃除してくれたに違いない。
まだ、シャンプーが出来ないらしく、顔はまだ薄汚れていた。
「目は目薬が効いてすっかりよくなったよ。ただ、傷がね。毛は生えるのに時間が掛かるから仕方がないとして、痛そうで可哀想だ」
そう話す橘君は、ゲージからモモを出して、私に抱かせてくれた。
今気が付いたが、最初に来た時より、入院患者のイヌが減っていた。きっと直って退院したのだ。モモもそれに続けばいい。
モモを抱きながら二人でいると、子供を挟んでいる家族のようだ。
私は、家族持つことの意味がわからない。あんな面倒な物はない方がましだ。
私にはモモがいればそれで十分幸せだ。
退院はいつ頃になるのだろう。お金の用意もあることだ、知っておきたい。



