俺が虜にしてやるよ。



「私・・・さ、ノアと一緒に、学校行ってから・・・女の子に敵意向けられるようになっちゃって・・・。」


ぐっと言葉が詰まってしまうけど、ノアは軽く私の頭を撫で、黙って次の言葉を待ってくれた。


「私、・・・普通の子みたいに、遊んだり、友達とご飯行ったり、・・・普通のこと、したかった。・・・でも、みんな、私がノアと一緒にいるからって理由だけでいじめるんだ・・・。」

収まったはずの涙が溢れる。



私達は、何も言わなかった。



「すまん」

長い沈黙を破ったのは、ノアだった。




「ノア・・・」




「俺がいるから、マリアは苦しむ。俺と居るから、マリアは辛い思いをする。
俺のせいでこんな事になるのなら、俺は大人しくフランスにいればよかったのかもしれない・・・。」


ノアはポツリと呟いた。
 
「・・・そんなこと」

ない、と言おうとした時、ノアが真剣な表情でのぞき込んできた。

「俺を、生意気しか言わないムカつくやつだと思ってたか?」

「・・・思ってた」

「人の心配なんかしない、そんな奴だと思ってたか?」

「・・・うん」

ノアはため息をついて私の頭を撫でた。
 
「俺はお前が思うよりずっと心配症だ」



ちょっと、いや、相当驚いた。
だって、だって、出会った直後に「お前のこと虜にしてやるよ」とか言ってキスした癖に・・・・!!!