まだ私は全然知らないこの人達の事を。 知らなくて当然なのはそうなのになんでこんな、苦しいのか。 「…帰るぞ」 モヒさんのその声に皆黙って従うだけだった。 「お前家どこだ」 わかっていた。 もう帰る時間だ。 「南区の三町通りです」 「わかった」 そう言うと車を走らせるモヒさんは気づいているのだろうか。