「お姉さんこれから予定ある?」

さっきの股間キックの痛さにようやく立ち直ったのか茶髪は少しふらつきながら立ち上がる。

「…あります」

実際のところないんだけれど。
こいつに捕まるとやっかいだと本能が言っている。

「ええ~今一瞬間があったし暇っしょ?俺奢るしカフェでも行こうぜ」

アホそうなのにこういう所だけ鋭いんだな。

「…変なことしないなら行きます」

常に盛ってそうな茶髪を疑いつつ目を向けると。

ぶんぶん、と首を振りながら

「男として初デートで襲うのは最低だしそれはしないぜ!」

なんでデートなのか。
しかも初デートじゃなかったら襲うのか。

ツッコミ所しかないこの男に呆れつつ。

「とりあえず、ヘルメット」

予備の物を渡され被り茶髪の男の後ろに乗る