「すーーーーずっ!」

マンションから出てすぐ、大きな声で呼ばれて思わずビクッとして振り返る。

ぎゅーーっと痛いくらいに後ろから抱きつかれる。

「波瑠、くるしい」

その声にハッとしたのかようやく離してもらえて。

「あはは、ごめんごめんつい」

えへへ、と笑う私の友達、坂内 波瑠。
ふわっとゆるく巻いてあるクリーム色の髪色とボブは彼女によく似合っている。