振り向くと。
相変わらずの綺麗なショートヘアが夕暮れの光にあたって反射していて余計にいつもより綺麗で。
風に乗せられて柔らかなラベンダーの香りがした。
「一人じゃ心配だったんだよ朝急に走って行っちゃうし」
と顔を伺いながら問う。
「それはー、…」
と言葉に詰りながら黙る鈴さん。
「言いにくいなら無理には聞かないよ」
けど、一人にしたら泣いちゃう気がして。
そんな弱い子でもないのはわかっているし。
数日会ってすぐに溶け込んで俺に蹴りまで入れてくるような女の子だ。
今まで会った女の子とは違うのはわかっていた。

