「そーなるだろうねー」
「そのまま引っ込んだ後は悔しくて悔しくて仕方が有りませんでした」

 なるほどと山宏先生はうなずいた。

「一時はエントリーを辞退しようと思っていたんだって?」
「はい。でも回りの人たちの励ましで、最後まで諦めずに頑張ろうと気持ちを新たにしました」

 オーっと会場から関心の声を響き渡る。

「その思い、積極的でイイよですね? イイですよね会場の皆さん!」
「イイー! サイコー!』と大声援!

 山宏先生の言葉は続く。

「それから一生懸命、練習して来て今日の本番を迎えたってワケですね?」
「まぁ…、そうですね」
「君の絶え間ない努力と、一途な心が勝利を勝ち取った! これはとても素晴らしい事です! 今日は木之元さんにとって素晴らしい日でしょう! 優勝、オメデトウ!!」
「ありがとうございまーす!」

 頭を下げると、山宏先生の合図で再び大きな拍手が湧いた!