その瞬間に気づいた。あれ、石川ってこんなに背が小さいんだ?

俺の目線はちょうど石川の頭のてっぺんにあったから。


だって俺だって背は高くないのに。目線が下がることなんて、男友達とではありえないから。


なんていうか石川は俺とは違って、女の子って感じじゃん。

当たり前なんだけどさ、あらためて気がついたっていうかさ。


だめだ、色々考えたらぐちゃぐちゃになりそうだ。とりあえず、今は視聴覚室に行かなきゃ。


『若って石川と付き合うの?』

『友達って思ってるのは若だけかもよ』


なぜか、ニーナの言葉を思い出した。

違う違う!って頭の中でそれを打ち消してから、急いで視聴覚室に向かった。