しばらく5人で行動していた。俺は集団の一番後ろにつきながら、縁日を見渡していた。

普段はこの辺りもがらんとしているのに、今日はたくさんの行き交う人々でずいぶんと賑わっている。


……そして俺は、鮮やかなその景色の中で、どうして見逃すことができなかったんだろう。


琢っぽい奴がすぐそこにいたんだ。

だけど今日は用事があるから来られないと言っていた。もしかしたら見間違いかもしれない。

向こうはこっちに気づいていないようだ。すれ違ってからもう一度振り返る。


やっぱりそうだ。そしてあいつの隣には俺の知らない女子がいる。


聞いたことはなかったけど、彼女なんだろうか?あいつ、いつの間に。