会場の手前でニーナとも合流した。琢はまだ来ていないようだ。

「メール来てるわ。あいつ、まさかのドタキャンなんですけど」


どうやら琢は用事ができて来られないらしい。まさかとは思うけど梅木といるわけじゃないよな。

けどそんな心配は空振り。


「あ、みんないるじゃん」

梅木は石川と二人で来ていたのだ。いろんな意味でホッとしてしまう。

梅木は琢がいないことでちょっと残念そうに見えたけど、琢と梅木が一緒でないなら俺はなんでもよかった。


また、先週石川を泣かせてしまってそれも気にはなっていたが、こっちは元気そうでよかった。

ふと石川と目があった瞬間に笑いかけてくれた。もう心配はいらないな。


「いいね、二人とも浴衣」


ニーナがさらっと言った。俺にはこういうこと真似できない。