少しだけ胸の奥がちくっとしたのに気づかないふりをしながら、さやかからのメールを開いた。

たった一言の短いメールの文章を見ても、俺にはさやかが弱っていることがすぐにわかってしまった。


部活中はそういうの隠していたのかな。今日だって笑ってたじゃん。


『このあと、会える?』


たとえばこのメール、俺がさやかの気持ちを知らないで受け取ったなら、すごく舞い上がっていたと思う。


会える?って聞かれているけど、別に俺に会いたいわけではないんだよね。

このメールを打つさやかのことを考えると、さらに胸がズキズキと痛んでしまった。


『つらくなったり、悲しくなったりしたら俺のとこおいで』


多分、そういうことだと思うから。