「探るような聞き方してごめん。実はなんとなくだけど気づいてたんだよね」

石川の悩みはきっと、女子同士うまくいっていないことだと思うんだ。

本人からそんな話は聞いたことないけど、教室での雰囲気を見ていたらわかる。


わざわざあおちゃんに聞いてまで石川の悩みについて確認したのは、少しでも俺が石川の事を知りたかったからなんだろうな。

悩みを共有したいって思うことすら、俺のエゴなのもわかるんだけど。


「石川は俺に話すつもりはないだろうし、俺が言うことじゃないけどさ、あおちゃんだけはなにがあっても石川の側にいてあげてほしいんだ」


結局のところ、俺自身は石川に何もしてあげられないと思うんだ。

あおちゃんに頼むことすら余計なんだろうけど、頼まずにはいられなかった。


「うん、それはもちろんだよ。

でも晴菜が若ちゃんを頼ってきたら、そこは話聞いてあげてね」


本音を言うと、最初から俺に頼ってほしい。

すごく悔しいけど、今は石川が必要としているのは俺ではなく、女子であるあおちゃんだと思うんだよね。