「テスト、学年1位ってやっぱり琢哉なの?」

部活終わりにさやかから突然聞かれた。

でもこういう質問については今に始まったことではなく、入学式で新入生代表の挨拶なんてやったもんだから、もううんざりするほど受けていたんだよね。


「いや、今回は違ったよ」

「あれ、じゃあ2位?」

「いや」

「4位?」

「うん」


……ん?なんだか嫌な予感がした。


「ねえ、どうでもいいんだけど、何で3位を飛ばしたの?」

「ここだけの話。あたしだもん、3位」


……マジか。

聞いたらさやかとの差は2点だった。さらに悔しい。

さやかは満足した様子で練習に戻った。


また俺の中で、さやかに対する感情に新たな火がついてしまった。

くそっ、絶対に次は負けられない。なんとしても学年一位の称号を守らなくては。