石川はグリーンのギンガムチェックのブラウスに、ブーツカットデニムを履いていた。

あおちゃんと何か話しているようだ。


私服だとやっぱり雰囲気が違う。

ある程度イメージ通りの格好をしていたけど、あらためてその姿を見ると、なんだかいいなって思った。

よかった。見つけられて。


「若、石川いるよ」

「え?あ、ほんとだ」


なぜか気づいていることが恥ずかしいと思い、ニーナに言われても知らなかったふりをする。


「話しかけてこないの?」

「別になんも用ないし」


ほんとは話しかけたいとこだけど、こいつら、とくにニーナがいるところでは無理。

石川にも俺がいること気づいてもらいたかったけど、今日はもう仕方ないか。