お遊びなんかじゃいられない・番外編集

いやいやいや、冗談だろう!?さっきも思ったけど、オレあの女の情報何一つ知らないんだぞ!?


それにオレを見かける度に騒ぐ女がうっとうしくて、彼女なんかいらないって考えていた。


なのに………


「水やり完了!ジョウロ戻してこなくっちゃ」


珍しく若干パニックになるオレの耳に、女子生徒の明るい声が届く。


再びどこかに駆けてゆく彼女のメルティブラウンのウェーブがかかった髪が、やけに印象強く目に焼きついていた。


「………」


スッと校舎の陰から姿を現したオレは、暫く立ったまま頭を働かせていた。


――気のせいだ。