「おや、篠原くん。おはよう」
「あ、おはようございます。マスター」
スタッフルームにはマスターがパコソンに向かって作業をしていた。
俺を見てニコッと笑うがその顔は明らか疲れていた。
「マスター、昨日寝ましたか?」
俺がそう聞くとマスターはハハハと困った様に笑い、「やっぱり君には誤魔化しが効かないね」と言った。
俺はそれにすかさず「みんな気づいてますよ」と言うと更に笑われた。
「いや、ね……。あ。そうだ。篠原くん、来月のシフトなんだけど少し増やさせてもらってもいいかな?」
「来月ですか?いいですけど……」
俺がそう言うと「助かるよ」とまた疲れた笑みを浮かべた。
「人足りてないんですか?」
「ほら今月いっぱいで後藤さんと水戸さんが辞めてしまうからね。本来学生の君は今でも多いぐらい働いてはくれてるんだけどね……」
「いいですよ」
俺はそう言うとパソコンの画面を覗き込んだ。げ。従業員俺と松岡さんとベテラン主婦の谷田さんと大学生の太田さんとそれにマスターしかいないのかよ。
そりゃマスターはこんな疲れた顔をするだろう。
それにパコソンの画面に表示されているシフト表にはまだまだ空きがあった。
「マスター、空いてるとこ全部入れてくれていいですよ」
「え?」
「俺のいつも出してるシフトは余裕がある様に出してたんで。特に予定ないですし稼げるならそれは嬉しいんで入れといて下さい」
そう言うとマスターはまた困った様に笑う。
「申し出とても助かるのだけど、君はまだ学生だ。だから、「大丈夫です。テストも終わりましたし。それに7月は夏休みに入るんで」」
そう言うとマスターは「そっか……すまないね」と本当に申し訳なさそうな顔をした。俺はそれに「大丈夫ですよ」と笑った。
当分忙しいなるけど大丈夫だ。稼げるならなんでもいいや。

