廊下を歩いてると
ギュッと後ろから抱きついてくる何か。
『綾〜、おはよっ』
そう、振り返るとニコッと「おはよっ!」と、かえしてくる綾。
佐倉綾。中学からの友達で親友でもある…。
「もー、さぼったでしょ!」
『ごめんごめん、そんな怒らないでよ』
と、頭をぽんぽんとするとおちつく綾はなんと可愛いことか。
「あ、そういえばね転校生きたんだよ!」
転校生かぁ。2年からなんて忙しそう。
『へぇ』
と、答えると反応が薄かったのが嫌だったのか
「へぇ。じゃないのっ!」
と、ほっぺたをつねられた。
『いらい…』
痛いというと離してくれて
「それがね、超がつくほどのイケメンなんだよ!まぁ、チャラそうだけどね」
そう、最後は聞こえるか聞こえないかくらいの声でぼそっと話す。
『顔がイケメンだからってついて行っちゃだめだよ?』
「わかってまーす!私には裕太がいるからねっ、えへへ」
と、スラッと惚気てくる綾にベチッとチョップして教室に入る。
そういえば、さらっと入ったけど本当に綾と同じクラスなんだ。
綾からはメールがきていて、
やっぱり仲良い子が一緒のクラスなんてテンションがいやでも上がるし
綾なら尚更…。
『ねぇ、私の席どこ?』
「秋ちゃんはー、ここっ!」
窓際の端っこか…
廊下側がよかったなぁと思いながら
机に鞄をおく。

