「実早、いくら好きでもそんなやり方していい理由にはならないだろ?」 「…………」 「実早は自分が幸せになる事しか考えてない。 実早がそうする事に、どれだけの犠牲を払ってると思ってんだ?」 犠牲……? 「未亜、由香チャン、薫、それに悠も被害者だ。 お前…悠が…好きなんだったら……」 クシャッと顔を歪めてから笑顔になったケンが言う。 「好きなヤツの幸せ、奪っちゃダメだろ? 好きなヤツの幸せ、見守ってやれよ。」