「…やだなぁ…!! 何にも…ないったら…」 「ん……そう?」 美川は心配そうな顔のまま頭を引っ込めた。 聞かないんだ…… 何かあったって勘づいてるくせに。 だって…さっきからチラチラあたしの事見てるじゃん…… 手なんて……頭に乗ったままだし…… “待ってるから…” 美川の言葉が頭に浮かぶ。 このまま何も考えずに美川を選んだら楽なんだろうな。 あたしの頭に乗ってる細いけどおっきな手を取れたら…… でも………