「あぁーー……思い出せねっ!!!!」 イライラして頭をかきむしる俺を苦笑いしながら見ていた薫が「由香か?」と聞いた。 「そうっ!!!……だったような気がする……だったよな…? あれっ?まぁいいや。」 俺は周りを見渡してから薫に聞く。 「で?由香は?」 「あー……」 薫が不自然に視線を泳がす。 「か、風邪? ち、ちが……き、教室!! 自分の教室!!!! ほら……よ、用事があるとか……ないとか……」