あの日から2年が経ち私、佐々木梨花は高校生になった。


「おはよう梨花!」

「おはよう!」

同じ中学の同級生が次々、私の周りに集まってくる。

幼さの残る笑顔で明るく笑う友人。

その横で、私は思い出していた。



そう言えば、桜が舞い散るこの季節だったっけ。

そう思いながらほんの少し顔を上げる。



青い空に少しだけかかる白い雲。

私を横ぎる春風が、いつも以上に心地よく、





私の元に何かを運んで来てくれるんじゃ無いか、



そんな予感に私はほんの少し、胸を弾ませた。