私の途絶えた記憶の中で

誰だろう。

大切な人の存在にまで、私は思い出せなかった。

それから、爽真は私を2階のある部屋へと案内してくれた。

この部屋もすごかった。

扉を開けると、正面には大きなダブルベッド。

右側にはウォークインクローゼット。

お化粧台もあって、ほのかな明かりを灯す電球が、私を落ち着かせてくれる。

「なんか欲しいものがあったらまたいってね。」

爽真はそう言うと1階へと降りていった。

私はそのままベッドに飛び込んだ。

どうして、こうなってるのか。

頭の中ぐちゃぐちゃ。

ついさっきまで、私は病院にいて……。

それだけでも不思議なのに。

こんなところに来ちゃって……。

わからない。

私は何かヒントになるものを探そうと部屋を物色し始めた。

爽真、ごめん。ちょっと探らせてもらうね。

私はそう心の中で呟くと、まずタンスのほうに目をやった。