「なあなあ、ダイチー、今日アソボーや」

「え?」

倖田來未系の女子、
高島ユズハに声をかけられて
なんだか少し嬉しそうなダイチ。


次の日、2人は
距離が近くなってたような気がした。


2人でなにして遊んでたんだろう?

ある日、久しぶりの席替えがあった。
隣ダイチがいいなー。

確率は凄い低いけど…。

「じゃあみんな席移動してー」

お願い。ダイチの隣。
ダイチの隣がいい。

「お、西寺やん」

ダイチの声、神様っありがと!
と、感謝するのも束の間。

「なんや、横ダイチやん〜」

偶然にも、ユズハが
ダイチのすぐ横の席になってしまった。

この日から私は
好きな人が、誰かとイチャイチャする
のを目の当たりにしなければならなく
なった。




「なあ、高島さんのこと好きなん?」

「別に。てかなんでそんなん西寺に
言わなアカンねん」

西寺…。呼び方も変わってしまった。
昔はヒナって呼んでくれてたのになぁ。


怪我したときに、真っ先に飛んできて
おんぶしてくれた優しいダイチ
どこに行っちゃったんだろう…。

ユズハとダイチ
2人が付き合うのに
時間はかからなかった。

でも別れるのも
早かった。

小学生の恋愛なんて
今思えばこんなものなんだろう。

砕けやすく脆い。

ユズハは進学校へ入学し
私とダイチは街の中学高へ入学した。

まだヒッソリと片思いは続く。

でも、ダイチは
ヤンチャなグループに入り
もう手の届かない人になってしまった。