「んなわけあるか!すぐ触るな変態!」


「お前」


「…え?」


何?私?何が?好きな人?!

春希が急に笑い出す。


「嘘」


べっと舌を出して春希は歩き出した。

私は頭がついていかなくてその場に立ち尽くす。


なんなのなんなの。なにこいつ。

余裕あるのはいつも春希。

いつも嘘ばっかり。



だから私も嘘をつく。



「いるよ。好きな人。」