見慣れた道を2人で歩く。


「ねー、春希?」


春希は何も言わない。


「春希って好きな人とかいないの?」


「…は?何急に」


「なんとなく」


「まぁ、いないってわけでもないけど」


「あ、いるんだ」


「誰だと思う?」


「わかるわけないでしょ」


「七海は俺だもんな~」


春希は"な?"と言って私の頭にぽんっと手を乗せて笑った。