瞳の先に。



ジャージに着替えて髪の毛を拭きながら、いつもの帰り道をぼーっと歩いた。

寒すぎてくしゃみがでる。



「ななみ」



なんで。いつもいつも。

話しかけないでよ。…春希。


待ち伏せしてたかのようにそこには春希がいた。



「なんでジャージなの?髪も濡れてるし、また転んだりしたの?」



春希はクククと笑う。


全然笑えないよ。


誰のせいでこうなってると思ってるの。



「桜庭さん…やめたほうがいいんじゃない」