「なーなーみっ!」 「い゛でぇっ!」 教科書で頭を叩かれる。 目の前にいるのはニコニコと笑う彼、川崎春希(かわさきはるき)。 「相変わらず色気のねー声(笑)」 「悪かったわね!色気なくて!」 べーっと下を出して睨む私、水本七海(みずもとななみ)。 「ほら、帰るぞ~」 「ちょっと、待ってよ!」 家が隣ってことあって一緒に帰ることが多い。 周りの友達に冷やかされつつも春希を追いかけた。 春希は嫌じゃないのかな。 いつも思う。