瞳の先に。



私はバックを持って教室を出ようとした。


「ななみ…っ!!」


私は足を止めた。

だってそんな辛そうな声で呼ばれたら行けないよ…。



「俺のこと避けてるよな…?俺…なんかしたっけ…?」



やめてよ。そんなこと言わないでよ。

春希が悪いわけじゃない。

そう言いたいのに。

それを言ったら私の想いも全部全部吐き出してしまいそうで言えなかった。



「…ごめん」



そう言って私は靴箱まで走った。

これが精一杯だった。

いつもいつも逃げてばっかりだ。