2人並んで座る。
先輩は黙ったまま空を見ている。
空の雲はゆっくり動いている。
私なんかよりも前に進んでて。
思い出して泣くことしかできない自分が情けなくなった。


「好きな人の好きな人…かぁ」


先輩に言ったというよりは独り言と言ったほうが当てはまるかもしれない。


「別に誰を想うなんて自由だよ。好きなら好きなままでいいんじゃないかな」


まぁそれが辛いんだけどね、と先輩は言った。

先輩も誰かに恋してるのかな。


どこか寂しそうな顔をしてる。



私は、頑張ろうと小さく呟いた。



先輩の恋はうまくいきますように。