瞳の先に。



春希…?


え…もしかして…桜庭さんって…。

桜庭さんは春希の言っていたフルートをしっかり持っていた。

今考えれば、この間保健室から見えた春希といたあの子に似ていた。



そっか。



桜庭さんの好きな人は春希で

春希の好きな人は桜庭さん

ただそれだけのこと。



よかったね、春希。



"美優"と言う優しい声だけが私の頭に消えずに残ったままだった。