恋は盲目だなんて言うけど本当かも。


好きだと自覚した途端に春希がかっこよく見える。

春希に貰ったマフラーを見るたびに嬉しくて。

でも、それよりもあの子を見ている春希を見るのが辛くて。

恋に落ちた瞬間に失恋したようなもの。



私はまた放課後の教室に1人。

はぁっとため息をこぼした。


「どーしたの?」


振り返るとそこには浦部先輩がいた。

春希だったら良かったのになんて思ってる自分がいた。


「なんで…」


「またここに来たら会えるかと思って」


「そうですか」


「元気ないのはまた春希のせい?」