「おっ、七海じゃん!」


窓から顔を出していた私を見つけた春希は駆け寄ってくる。


「図書委員だったっけ?」


「そーだよ。もう帰るけど」


「もう少し待ってくれねーか?」


「え…?」


「これやるから」


春希はマフラーを私の首に巻く。

私はうんと頷いてマフラーに顔をうずめた。

春希の匂いがする。



なんだろう。少しだけドキドキした。