時は流れ、お昼の時間になった。
「 栞音も、素直じゃないよね、ほんと 」
高校で知り合って、今は親友レベルの里穂が、お昼の時間に話し出した。
「 なによ、私はいつだって素直よ?」
自分の気持ちに嘘ついてなんかいないもん。
思ったことはすぐに言葉にしちゃう人間だし。
「 横山のことよ、今日委員会の日じゃん。あの子とふたりっきりになっちゃうよ?」
私は、聞いてないフリしてお弁当のたまご焼きに手を伸ばした。
そんなの、里穂に言われなくてもわかってる。
わかってる。
「 委員会なんだって、しょうがないんじゃんよ。私にはふたりを応援するしかないのよ 」
亮が誰に恋しようがただの幼なじみの私に関係ないの。
小さい頃から亮は、恋多き男だった。
いろんな女の子を好きになってた。
はるな、みゆ、さくら、みつき...
みんな、可愛くて。いいこばっかり。
誰かを好きになるその度に、
蒼は私に相談してきた。

