haruka・side

4月。あの約束をしてから2年経った。

高校生になった私は星ノ原高校の制服を身にまとい、星ノ原高校に通っていた。

が、しかし。

2週間経った今も爽太と柊ちゃんに会えていない。

仕方が無いって言ったら確かにそうなるかもしれない。

なんせ、クラスが18クラス。 一体何人男の子がいるんだか。

星ノ原は普通科、体育科、商業科、情報科、そして声楽科がある。

私は案の定頭が足りなかったから技術を採ってもらって声楽科に入った。

「18クラスの中から男の子2人探すのなんて難しいよー。」

そもそも入学してるかさえわからない。

当時私はケータイを持っていなかったから連絡先なんて知らない。

「はぁー。」

気力を全部出してしまいそうなくらい長いため息をついて、今日の放課後も音楽室に向かう。

軽音部の部室。 誰もいない。

顧問の先生が言うには、2年前に部員不足で潰れてしまったらしい。

ただ、「部活には入ってないけどピアノならいつでも引いていいよ。」

と、許可を貰ったので暇つぶしも兼ねて毎日この場所に来ている。

ピアノの前に座り、考える。

「さて。今日は何弾こうかな。」

独り言は虚しく音楽室に響く。

…何か今日は妙にあの2人の事思い出したな。

あ、あの曲にしよう。