~退院の朝~

「お大事にどうぞ~」


「ありがとうございました。」


私は一言そういうと、迎えにきていた執事の車に乗った。


しばらく経つと大きな建物についた。


「こちらですよ。新しいお住まいは。50階建てのマンションです。建物全てがお嬢様のお部屋ですので」


オートロック、指紋認証、顔認証、セキュリティは万全。


「更に、各部屋の寝室にはさらなる安全のため、鍵があります。50個の鍵お渡ししますね。」


「そこまでしなくても」


「念には念をです。」


私は頷くと涼は話を続けた。


「私は一階におりますのでご用の際は各部屋にあるボタンを押してください。」


「わかったよ、それじゃあ部屋にいくね!今日は何階の部屋にしようかな」


と迷いながら最上階にした私。


窓からは高層ビルに囲まれた町並みがうつった。


草木も花もなにもみえない。


私が住んでいた国とは全く違う世界。


その時はなにも知らなかった


いや、知らないほうがよかったのかもしれない…