数ヶ月後…


顔に巻かれた包帯をとる日がきた。


恐る恐る鏡を覗きこんだ。


元々はクォーター。ブルーの瞳にブロンドの髪の毛、彫りが深くお人形さんみたいな絵に書いたような顔だった。



…!!!



和風な顔になっている…
ただ目は青のままで髪もブロンド。


別に悪くもないかな…


ただひとつ言えることは自分が自分の顔見ても認識できないことだけ。


なぜ顔を変えないといけなかったのかも分からないまま私はただただ鏡を見つめていた。


数分たった頃


見知らぬ男性が病室に入ってきた。


「雫お嬢様。相変わらずお綺麗で。」


「え!?」


「お嬢様のお着きの物ですよ」


「カイヤ!?」


「そうです。私も整形しました。」


「なぜ?」


「身の回りのもの全てを変えなければいけなかったのです」


「そこまでしなくても…」


「雫お嬢様を護ることが使命ですから」


よくわからない。カイヤがそこまでする理由が全くわからない…


「とりあえず別の国にきた上に顔も全く違いますので安心ですから」


微笑みながら私にそういった。


「後、私の事もカイヤとは呼ばないで下さい。この国での名は涼とでも読んでください。お嬢様もけしてアクアという本当の名を口にしてはいけません。」


「…約束ですよ…」


カイヤいや、りょうが初めて鋭い目でみていってきたからびっくりしてしまった。


「わかったよ。わたしは雫、あなたは涼。これでいい?」


「ありがとうございます」


いつもどうりの笑顔を私にむけてきた。


「その代わり敬語などなにも使わず話して。雫お嬢様とかいってたら周りからみたら不自然でしょう?」


「お嬢様に敬語を使わないなんて出来ませんよ!」


「命令」


私はそういった。


「命令だから。執事は忠実でなければね」


そう微笑むとりょうが困った顔をした。


「そういえば何でりょうって名前にしたの?」


「それはですね、先ほど通りかかった道に涼という文字の涼しげな青い旗をみて何となくですよ」


「そうなんだ。その事より、もう外に出てたんだ」



「お嬢様の新しい学校とお住まいのご用意がありましたからね。」



「明日退院って聞いていたよ。学校はいつから?」


「2週間後です。この国では、今は夏休みという休暇のようです。」


「今日はゆっくりするわ」


「はい。ごゆっくりとお休みください」