「逃げて、早く」
「後はよろしく頼むよ」


「かしこまりました。お嬢様は必ずお護りします」


地下の避難口から必死に逃げた。



しばらくして状況がつかめない私に執事のカイヤが落ち着いて聞いてくださいと、言ってきた。






「これからは別人として生きてください」





私は意味がわからず黙りこんでしまった。





「詳しいお話が出来ない事をお許し下さい。今言えることはこのままでは危険なので素性も隠してお顔も変えて別の国で暮らして下さい。」



納得できるはずかない。


という私の意思とは関係なく事が進んでしまった…


真っ白な天井が見えた。


病院なの忘れてた…


なんて思いながら若干痛む自分の顔に手をそえたら包帯が巻かれていた。



「目が覚めたみたいだね」


病院の先生か…


「雫さんの良さは残しつつ顔は全くの別人にしたよ」


「ありがとうございます」

私は一言そういった。



顔全く違うのに何の良さを残したんだろう?新しい名前も自分ではないみたい。


と心の中で思っていたら先生が


「その瞳の色は綺麗だから一生大事にしなよ!後その髪は染めなよ」


と笑顔で言ってきた。