パタン、と絵本が閉じられました。 その裏表紙には、綺麗な雪の結晶のイヤリングの絵。 「私もこれがもらえるの?」 キラキラとした目でそう言ったのは、この国の第一王女です。 「ほしい?」 そんな彼女に、穏やかな声音できいたのは、この国のお妃さま。 「うん!」 「魔女さんに会いたい?」 「怖く、ない?」 「怖くなんてないわ。とっても可愛い子よ。お母さまのお友だちでもあるの。」 柔らかく笑ったその顔は、絵本のお姫さまにそっくりでした。