「おはようございます、美麗お嬢さま。」




「おはよう!寺田さん!」




この人は運転手の寺田さん。




私が物心ついた頃には
もう運転手は寺田さんだったから…


そう考えるとかなり長い間
この相沢家で運転手をしてくれているはず。






「あ、寺田さん!どう?新しい制服!」





「名古屋におられた時に比べますと
より高校生らしい、と言いますか、
今どきの制服、という感じがいたしますね。」





「そうなの!!
名古屋にいた時はすごい地味だったけど…

この制服、学園ドラマの主人公みたいっ!!」





「大変お似合いですよ。
…はっ、…お嬢さま。
そろそろご出発なさらないと、
朝礼の時間に間に合いません。
…どうぞ。」




そう言って車のドアを開ける寺田さん。





「わ、本当だこんな時間!
初日から遅刻はさすがにまずいもんね…!」




急いで車に飛び乗り、
いつもと変わらない寺田さんの運転で
新しい学校へと向かった。