「でっ!?
なんで話しかけられたのよっ!」
「えっ、あ、あぁ…。
なんか、私が生徒手帳落として…」
私は愛華に事の経緯を話した。
「なるほどね…
突然、美麗って呼ばれた…ってこと…か。」
「そーなの。よくわかんないんだけど。
でもすっごい怖い顔してたから
私怖くて走って逃げてきちゃった。」
「怖い顔?
それって単に爽くんの目ヂカラが
強いだけなんじゃないの?(笑)」
「えっ、いや、わかんないけど…
…そうだったのかな…?」
「でもまぁあの女嫌いの爽くんが
突然美麗を呼び捨てにして呼び止めた、
っていうのは、やっぱり謎だよね。
美麗、心当たりないんでしょ?」
「ないない!
だって私今日転入してきたんだよ!?」
「だよね〜…」
「うーん…違う美麗ちゃんと人違いかなぁ…」
結局謎が解決することはなく、
私と愛華は首をかしげるばかりだった。
