「はぁっ!!??
岸野爽に話しかけられたーー!!??」




「ちょっ、ちょっと!!
声大きいよ愛華ってば!!!」




その日の昼休み。

食堂で集会の後職員室からの帰りに起きたことを
愛華に話そうとしたのだけど……

岸野爽くんに話しかけられてさ…って
言っただけでこのリアクション。




「いやいやいや!!
えっ、えっ、なに話したの!?」




「なにって……
ってか、そんなすごいことなの?
岸野爽くんに話しかけられるって。」




「す、すごいもなにも…
まずあの人、言わばトップスターな訳だからさ、
なっかなか私たちみたいな一般人が
お話しする機会なんてないわけ。」




「あぁ…そっか。」




「さ、ら、に!
爽くんは女嫌いで有名。」





「…女嫌い?」





「そ!どんな女の子に告白されても
どんなけキャーキャー言われてても、
彼女つくるどころか、
嬉しそうな顔ひとつ見せやしないのよ。」





「へーえ…。」





「…あっ、
普通科にね、山口めぐみって子がいるんだけど。
その子すっごく可愛くて
スカウトされまくってるような子なんだけどさ。
1年の頃、めぐみんが爽くんに告白してさ。」






「へーぇ!勇気あるね〜」




私は無理だよ、あんなイケメン。





「んー、まぁその頃は爽くんもまだ
俳優として駆け出しだったしね。
みんなてっきりオッケーすると思ってたのに
まさかの爽くん断っちゃったみたいで。」





「…ふーん。」






「あのめぐみんを振ったって
学校中に広まっちゃって。
そこから、爽くんが女嫌いだって
言われるようになったってわけ。」






「そーなんだ…。
私テレビあんまり見ないから
岸野爽のことすら全然知らないし。」